微細金型製作のための超精密微細加工機 |碌々産業株式会社|金型加工、樹脂成型、微細加工

 

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微細金型製作のための超精密微細加工機 機械と工具 2009年5月特別号 掲載

はじめに

製造業がコスト低減を求めて海外に展開していく中で、国内のものづくりは高機能、高付加価値化が進んでいる。特に、IT関連をはじめとした分野では小型化によって性能向上を成すため、金型加工における高精度・微細加工の要求が高まっている。最近では、樹脂成形品で寸法公差±5μmといった寸法精度の厳しい要求があり、金型における寸法精度は、それ以下を要求されている。それと同時に短納期、コストダウンの要求が浸透しており、より安定した高精度・微細加工を行うことが望まれている。 その要求を具現化できる機械として開発された製品が『超精密複合微細加工機VEGA‐600』である。 本稿では、『超精密複合微細加工機VEGA‐600』の特徴と微細加工実例を紹介する

1.機械概要

図1に機械概観を示す。本機械は、機械本体、制御盤、各種油温コ ントローラで構成されており、機械本体とそれ以外を切り離して配置 する事で、機械本体へ及ぼす外部からの振動や発熱の影響を抑える構 成としている。  本機械の主な特徴は、駆動3軸の案内面を『油静圧案内面』、駆動 方式は『リニアモータ駆動』を採用している。本機械の主な機械仕様 を表1に示す。




2.高精度を追求した機械構造

2.1 本体構造 低重心高剛性ヘッドとコラム一体クロスレールを採用した門形構造により安定した超精密加工を可能にしている。リニアモータの吸着力の影響による変形の抑制は、主軸頭、テーブル、クロスレールの剛性をコンピュータ解析(CAE)し、軽量化と剛性の向上を図ることで対応している。


2.2 油静圧案内面とリニアモータ駆動

スムーズな動きを追求するため、油静圧案内面とリニアモータ駆動を採用している。この制御システムには、油膜の剛性が高い『流量可変油静圧絞り方式案内面』を採用。外力による荷重が加わり、油膜を薄くさせようとすると瞬時に流量を増加させて、変位を極少にするように応答し、制御することができる高剛性なシステムである(図2)。本機械における真直度精度を図3に示す。X軸方向の水平面内及び垂直面内の真直度精度は、それぞれ1.07μm/410mm、0.46μm/410mmを達成した。 リニアモータ駆動の仕様は、剛性の高いコア付リニアモータを採用しており、マグネットを対向式に配置する事で、吸着力を相殺している。また、コギングの軽減及び発熱源であるコイルの強制冷却を施し、加工のトータル精度向上を目指している。冷却油の油温変動に対しては、変位を最小に抑える為に、油温を±0.1℃で制御可能なオイルコントローラを採用している。 本機械における真円切削結果を図4及び図5に示す。図4は工具中心軌跡がΦ0.05㎜と極少の円切削をした時の真円切削性能を示し、図5は、Φ11の内円加工を実施した際の高速真円切削性能を示している。 極小径での真円切削において、真円度0.22μmを達成しており、スムーズで、且つ高追従性を実証するデータである。この機械追従性により、3D加工における微細点郡の反復動作をより俊敏に動作させ、微細な形状加工を可能としている。







2.3 高精度位置決め

フルクローズド・ループ方式によりサーボモータへ高分解能な電流・速度・位置指令をフィードバックして高追従性を実現。また、NC指令値に対する実移動距離の絶対照合化では高精度安定位置決め性能を保証している。 小さな目盛周期と高水準の分解能0.002μm(2nm)のスケールフィードバックにより、高い繰り返し精度を実現している。図6~8に各軸毎の0.1μmステップ送りの実績値データを示す。最小設定単位での送りに対して、高追従性を実現している。



2.4 高速主軸ユニットとサブ主軸

主軸ユニットは、セラミック玉軸受けと特殊オイルミスト潤滑方式により、極小径エンドミル加工で威力を発揮する毎分6万回転までの連続高速運転加工を可能にした。主軸は、動的に安定し、かつ高速回転でホルダのクランプ力が増す二面拘束(HSK-E25)を採用。H・I・S制御(熱分離システム)とあいまってXY軸方向の熱変位を極少にしている。また、主軸横に用意されたサブ主軸(オプション)を使用する事でC軸同期によるヘール加工や高付加価値ユニットによる複合加工の可能性を広げている。

2.5 H・I・S制御(熱分離システム)

主軸ユニットは、セラミック玉軸受けと特殊オイルミスト潤滑方式により、極小径エンドミル加工で威力を発揮する毎分6万回転までの連続高速運転加工を可能にした。主軸は、動的に安定し、かつ高速回転でホルダのクランプ力が増す二面拘束(HSK-E25)を採用。H・I・S制御(熱分離システム)とあいまってXY軸方向の熱変位を極少にしている。また、主軸横に用意されたサブ主軸(オプション)を使用する事でC軸同期によるヘール加工や高付加価値ユニットによる複合加工の可能性を広げている。

3. 加工事例

3.1 直彫り加工実例 図9の加工実例は、『LED用レンズ金型直彫り加工』の実例である。市販のCBN工具を使用して、加工面粗度Ra0.07μmを達成した。また、100キャビ加工後の工具には異常磨耗は見られず、LED金型の多数個取りにも適応が可能であると考えられる。



3.2 電極加工実例

図10の加工実例は、『高精度フィン加工』の実例である。長時間加工でフィン位置精度±1μmを達成しており、長時間加工における安定性を実証している加工実例である。


3.3 研削加工実例

図11の加工実例は、『高品位治具研削加工』の実例である。研削面粗さでRa0.016、位置精度±1μmを達成している。油静圧案内とリニア駆動によるスムーズなZ軸チョッピング動作により実現した高品位、高位置精度の加工実例である。


4. 高精度化を維持する条件

VEGA-600は、高精度・微細加工を安定して行うことができる精密加工機であるが、微細加工を長時間・高精度に維持するには微細加工機・ツール・CAD/CAM・環境の四位一体が必要条件である。
●ダイナミック刃先振れ精度、高速回転の熱対策、高精度高速追従・・・「微細加工機」
●形状精度、振れバランス、耐摩耗性に優れたツール・・・・・・・・・「微細加工ツール」
●チップロード一定、微細トレランス、繊細なアプローチ・・・・・・・「CAD/CAM」
●加工精度を安定化させる作業環境(温度・湿度・振動) ・・・・・・「環境」
この4つの大きな柱どれ1つ外しても高精度・微細加工は、実現が不可能である。 弊社は、この四位一体をお客様に提案し、微細加工機を含めたトータルソリューションで「ものづくり」を具現化している。