碌々産業が「Android」開発 「操る悦び」、実加工精度±1μm以内を 月刊生産財マーケティング 2010年9月号掲載|碌々産業株式会社|高精度高速小径微細加工機、特殊加工機、プリント基板加工機の製造・開発

 

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碌々産業が「Android」開発 「操る悦び」、実加工精度±1μm以内を 月刊生産財マーケティング 2010年9月号掲載

碌々産業(静岡県焼津市、野田謙一社長)は7月31日、新開発の微細加工機「Android(アンドロイド)」の受注を開始した。

人と機械の融合で実加工精度±μm以内を目指した究極の微細加工機。「操る悦び」をキーワードに、微細加工の限りない 可能性を追求した。初号機は秋のJIMTOFでお披露目する。

微細加工機の新基準

碌々産業は1996年、他社に先駆け微細加工機MEGAを開発。以来、微細加工機のリーディングカンパニーとして進化 を続けてきた。「MEGAを開発した14年前、微細加工という言葉もなかった時代に、我々が微細加工機の基準を作った」 と海藤満副社長。そして今、新たに市場投入するAndroidで、「マーケットに微細加工機の新基準を提案したい」と話す。携帯 電話やデジカメなど、小物の大量部品が増え、より小さく、精度の良い金型が求められている。国内の金型業界で微細加工の 究極の精度は、実加工±1μm。加工面に虹模様が出来ない、きめ細かな面粗度を可能にする。新機種開発でこの精度を目指した。

極限までハード面追求

微細加工機の3大要素は、「振動の抑制」「高速スピンドルの振れ精度抑制」「熱変位対策」だ。Androidの全軸 リニアモータ駆動で、発生する吸引力を打ち消す水平対向仕様となっている。振れを極限まで抑制したスピンドルを搭載し、 標準で5万回転、オプションで6万回転まで設定。ボールベアリングタイプでの6万回転は世界初、という。また、特殊リブ構造で 機械内の熱を排出するなど、熱変位対策も徹底的に研究。極限までハード面を追及した。「開発にあたり、MEGAを使用している 全国の顧客に聞き込みを実施。90項目以上に及ぶ改善点を出し、1つずつクリアしていった」(海藤副社長)

Android

機械の鼓動をオペレータに伝え、一体となって操作することのできる機械、高精度実現に対するオペレータの意図を 忠実に反映できる機械、という意味を込め、Android=人造人間とネーミングされた。柔らかなイメージのデザインで、前面は 斜め下がりのスラント。微細加工機は、安定していて振動の少ない低重心が理想的な形。碌々の微細加工機は全て、低重心の 安定感のあるシルエットが特徴だ。
ストローク(X/Y/Z):450x350x200mm 主軸端面からテーブル上面の距離:80~280mm 主軸回転数:3000~50000min-1(OP60000) ツールシャンク形式:HSK-E25 ATC本数:20本(OP40本,60本)

匠の技の再現

安定した±1μmの実加工を実現するには、ハード面の追及だけでは足りない。スピンドルの振れ精度を極限まで制御しても ゼロにはならず、熱変位も決してゼロにはならない。個々の変化が蓄積すれば、ほんの1μmずつのブレでも3箇所で3μmに なってしまう。静的精度で3μm動いている機械に実加工精度1μmは不可能なのだ。「MEGAを使用し±1μmを出すユーザーさんの、 機械のクセを掴んでいる、という言葉がヒントになった」(海藤副社長)。極限の加工をするオペレータのほとんどが、機械の 稼動に伴う挙動(クセ)を掴み、それを補正しながら加工する。ポイントは、機械の挙動の見える化だ。Androidにはオプション でM-KITを付けることができる。これは、室温や機械内部の各部温度、切削剤やモータの温度、サーボ波形、エアーや電力の消費量 など、加工中に起こる様々な変化を見える化した、オペレータインターフェイスだ。機械のクセをつかんで自由に操る。 そして究極の実加工精度を追及する。それは、オペレータにとって「操る悦び」だ。「これは、かつて汎用機を駆使して究極の 精度を追求した匠の技の再現にほかならない。これができるのは、日本人だけ」(海藤副社長)。M-KITをオプションにしたのには 理由がある。機械能力だけでも十分2μm程度の精度は出る。ただ、技術力で海外との差別化を図るなら、日本人にしか 使いこなせないM-KITが役に立つ。マイスターのほか、マニアックの意味もある。究極までハード面を追及した微細加工機に、 進化したオペレータインターフェイスを搭載する。そうして機械を自在に操って初めて、実加工精度±1μmが実現するのだ。
(倉田聡美)