超高精度高速微細加工機と活用技術 超高精度・高速微細化工機「Android」|碌々産業株式会社|高精度高速小径微細加工機、特殊加工機、プリント基板加工機の製造・開発

 

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超高精度高速微細加工機と活用技術 超高精度・高速微細化工機「Android」 機械技術 2013年12月号掲載

1.はじめに

 スマートフォン関連部品などの分野では、小型化によって性能向上を図るため、金型加工における高精度化・微細化がますます進んでいる。
 日本の製造業がコスト低減を求めて海外に進出していく中で、国内に残るものづくりは、高付加価値を求める製品が多くなっている。
 微細加工の分野でも短納期、コストダウンの要求があり、安定した高精度・高品位な加工を実現できる微細加工機や高精度な切削工具などトータル的な取り組みが必要とされている。
 当社の微細加工機への取り組みは、1996年に微細金型加工や極小径の穴あけ加工を対象とした高精度高速微細加工機「MEGA」を開発したところから始まっている。年々、要求される精度が厳しくなっていく中で、超高精度高速小径微細加工機「Android」を開発した。
 本稿では、超高精度高速微細加工機「Android」の特徴、微細加工を実現する要素と加工実例を紹介する。

2.Androidの特徴

超高精度・高速小径微細加工機「Android」
図1:超高精度・高速小径微細加工機「Android」外観

 図1は、当社の超高精度高速微細加工機「Android」である。主な仕様を表1に示す。  機械としては、高振れ精度、高追従、極少熱変位を実現した。
 完全熱対称フレーム構造及び有限要素解析による構造解析を実施した高い剛性を要した基本構造により高精度を維持した。 又、移動軸は全軸リニアモータ駆動を採用。リニアモータを全軸水平対向配置にする事により吸引力を相殺、移動物やガイドにかかる偏荷重を抑制した。
特殊精密転がり案内を摺動部に採用した。従来問題となっていた微小ウェービングを抑制、ウェービング影響の少ない高面品位加工を実現した。
 スプリングレス新型クランプ機構を採用した主軸を搭載する事により、全回転域で主軸動的振れを抑制、高精度・高品位加工を実現した。
 加えて、加工機情報の「見える化」、自動芯だし機能・非接触自動工具測定機能のキャリブレーションを自動化した。
 「見える化」では、機体から13ヶ所の測定温度をリアルタイムで表示、その情報から機械の状況を即座に把握することができる。機械の挙動(クセ)が的確にオペレーターに伝わり、オペレーターの意思が忠実に機械に反映される。
 機上測定装置のキャリブレーション自動化では、測定装置の経年変化などによる誤差をワンタッチで測定、キャリブレーションすることで、微細加工には不可欠な測定器の校正を容易に行うことができる。また、オペレーターの個人差による測定誤差が無くキャリブレーションができるのも特徴である。

Androidの主な仕様
表1:Androidの主な仕様

3.高精度微細加工を実現する要素

 高精度・微細加工の条件は日々過酷さを増し機械本体による精度追求では対応が困難な高付加価値分野が急成長している。これを実現するためには、加工機をはじめとして以下の四要素をバランスよく整備することが必要である。
 最適な加工機、最適な工具、最適なソフトウェア(CAD/CAM)、最適な環境の四要素(四位一体)があり、それぞれ下記のような事柄について考慮する必要がある。
 (1)最適な加工機
 動的刃先振れが小さい高性能主軸を搭載しており、高回転でも長時間安定した加工を維持するための熱変位対策をされていることが重要である。さらに、微細な切込みを実現するための高精度高速追従性が必要である。
 (2)最適な工具
 耐摩耗性に優れ、加工精度が安定して持続することや形状精度が高く、高速回転時のバランスに優れていることが必要である。
 工具を保持するホルダも工具先端部での動的振れを極力抑えるための高精度な物が必要とされる。
 (3)最適なソフトウェア(CAD/CAM)
 小径工具における微小切込みでも安定した間隔でデータの生成できることが重要である。微小なトレランスでの処理が可能であり、工具負荷を低減するためのアプローチなど、微細加工に対応したデータ生成が可能なことが必要である。
 (4)最適な環境
 温度、湿度、振動を可能な限り安定させた恒温環境で、これらの情報が管理できていることが望ましい。
 加工不良が発生した際に環境面での不具合要因が無かったかどうかを判断できるシステムが必要である。
 これらの要素は、高精度な微細加工を実現する上で必要不可欠であり、どれが欠けても高精度な要求に対応できない。
 当社では、この要求に対応するための高精度微細加工機を市場に提供すると共に、四位一体のコンセプトをお客様に提案し、微細加工の導きとしている。

4.加工事例

レンズホルダ高精度加工
図2:レンズホルダ高精度加工

 図2はスマートフォンなどの光学関連部品(レンズホルダを想定)の加工事例である。カメラの画素数が上がるたびに加工精度の要求も厳しくなっている。
 テーブルに設置した治具上に16個のブランクをセットし、一度に加工を行った。
 結果は、16個全てのブランクにおいて同心度、真円度、径精度が1μm以内、面粗度Ra0.04μm以下という結果であった。  長時間の高回転加工であっても、Androidの高追従、極少熱変位で安定された加工が実証された事例である。

5.おわりに

今回超高精度高速微細加工機「Android」を紹介したが、今後も成長を続けるスマートフォン関連部品など、最先端部品、金型の微細加工で、多様化する要求に対応し、新技術の構築に取り組み常に新しい提案を行っていく所存である。