;製品開発ものがたり vol.12 碌々産業・微細加工機 Android(アンドロイド)生産財マーケティング 2015年3月1日掲載|碌々産業株式会社|高精度高速小径微細加工機、特殊加工機、プリント基板加工機の製造・開発

 

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製品開発ものがたり vol.12 碌々産業・微細加工機 Android(アンドロイド) 生産財マーケティング 2015年3月1日掲載


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微細加工機「MEGA」シリーズの上位機種として開発した。熱対称の高剛性フレームや独特な精密転がり案内などを採用。熱変位を把握できるよう、機械各部に温度センサーを内蔵する。±1μmの精度を出せる機械として開発したが、工場内に設置する恒温室「J-Box」と組み合わせれば±0.5μmも超えるという。写真はJIMTOF2014に参考出品した「アンドロイドⅡ・コンセプト」。熱変位をさらに抑える設計にするなど、ハード面を進化させた。

もう一度オペレータの感性を

 微細加工機のリーディングカンパニーを目指す同社がこの分野で最初に開発したのは、1996年発売の「MEGA」シリーズ。一般的なマシニングセンタでは量産効果で安価に作れる大手メーカーが有利と見て微細加工分野に大きくかじを切った。

  もともとMEGAシリーズは、当時まだ知られてなかった高速回転での金型直彫りなど、新しい加工法を提案するために開発したもの。「ユーザーニーズに合わせて作ったものではなかった」(海藤満社長) という。そこで、ニーズをできる限り拾い上げ、MEGAの上位機種として2010年に開発したのが「Android(アンドロイド)」だ。

   「多くのユーザーに聞いて回り、80項目以上の改善点が見つかった」と海藤社長は当時を振り返る。切りくず処理などの細かい仕様の見直しに加え、苦労したのが「±1μmの精度を常に出せる機械が欲しい」という要望だ。

   ボールねじからバックラッシのないリニアモーター駆動に変え、変形しにくい左右対称の機械構造を採用するなど、多くの点を改良した。しかし、機械をいくら作り込んでも、機械各部の熱変位による誤差を積み上げるだけで±1μmの範囲を超えてしまう。

   同社の取った対応は、各部の温度変化を「見える化」すること。高精度加工を追及するユーザーは、機械1台1台のクセまでつかんで精度を追い込む。それならば、さまざまなデータを提供できれば、より高度な使いこなしが可能になると考えた。

   主軸スピンドルやスケール、鋳物、モーター、クーラントなど13カ所の温度を測定し、表示する。温度変化と熱変位にはタイムラグがあり熱変位による動きも複合的で、自動補正では対応しにくい。機械の挙動を判断し、どう補正するかはオペレーターの腕の見せ所だ。

   「±10μmの精度ならば"誰が使っても同じように加工できる機械"で良かったが、±1μmとなるともう一度オペレーターの感性や経験が必要となる。使いこなすほどに精度が出るAndroidには、NC化で失われた"操る悦び"がある」と海藤社長は強調する(曽根勇也)